人事・ヘッドハンターが語る企業の欲しがる人材とは

石田さんこれまでのご経歴を教えていただいてもよろしいでしょうか。

2012年に筑波大学のシステム情報工学研究科を修了し、1社目は「 エル・ティーエス」というプロフェッショナルファーム(コンサルティング)に就職し、そこでは約半年間、自社の新卒採用のリーダーをしていました。

現在は、「イシダテック」という食品・医薬品製造用の装置を設計・製作するメーカーで代表取締役をしています。同時に、スイス企業とのジョイントベンチャーのアーオーグループジャパンのCOOも兼務しています。

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エル・ティーエスさんでは新卒採用のどのような業務に携わっていらしたのでしょうか?

母集団形成、初期選考、候補者管理、面談調整そしてわずかですが採用企画を行っていました。まずはどのメディアに対して求人を出すか、どのようなコンテンツを学生に発信するかという部分から関わっていました。

そして説明会の実施やグループワークの企画などを行い、二次面接以降では実際に面接官を担当したり、学生の情報を部長や役員などに引き継いだりという感じです。

 

これまでの経験を通じて、一般的に重要視していた学生の資質や能力はありますか?

特に選考の中で見ていたのは「誠実さ・素直さ」そして「考える力」、「ストレス耐性」、「表現力・言語化能力」です。

 

よく「地頭が良い」という言葉を耳にするのですが、それはどのような学生のことを指すのでしょうか?

はい。まずは論理的に物事を考えられるかということではないかと思います。。

その人が話していることを誰が聞いても「確かにそうだな」と納得できるかということですね。

 

そして物事を抽象化して類推的に考えられるかどうかということだと思っています。

これは、今までの経験から似たような要素や共通点を見つけ出して「過去の経験からこんなことが言えそうだな」と俯瞰的な視点で物事を捉えられるかがということですね。

こういった能力を見る方法としては、選考の中で「ケース面接」と言われるものを実施されることが多いです。「〇〇のお花屋さんの売り上げっていくらぐらいだと思う?」のような質問をして、頭の中の情報を組み合わせて、論理を組み立てて答えを導き出せるかという部分がポイントになるのかなと思っています。

 

ストレス耐性については、どのようなことを聞いて判断されていたんですか?

  これについては挫折した経験を質問して、そこからの乗り越え方、解決の仕方を聞いていました。特にそれが再現可能なものか、もう一度同じ状況に陥ってもまた立ち上がれるかみたいな部分は見ていますね。

残りの表現力・言語化能力とは、例えば「具体例を用いてわかりやすく伝えられるか」などが挙げられます。これは、会話している相手の持っている知識の広さや深さを慮って、同じことがイメージできるような表現ができているか、ということですかね。

 

よく学生も戸惑うことが多いそうなのですが、「グループワーク」や「グループディスカッション」では、どのようなポイントがあると思いますか?

 礼儀や協調性(聞く態度など)ももちろん見ているとは思いますが、その場で集まったメンバーの中で自分の役割を把握してそれを全うできるかといった、チームワークは大切ですね。

場合によっては、同じグループにリーダーシップのある方が2人いるということもあるので、その時に良かれと思ってお互いがリーダー的な振る舞いをしてチームが混乱するのか、一人は別の役割をあえて担い、チームとして上手く立ち回れるようにするのかで、かなり印象も違うと思います。

 

なるほど。実際に採用に関わった方からのお貴重なご意見ありがとうございます。